ある修行僧が
樹の下で瞑想していると
小鳥たちがやってきて
声高くさえずります
修行僧は
小鳥たちのさえずりを
無視していましたが
あまりに声高くさえずるので
瞑想に集中できなくなります
そして突然、カッとにらみをきかせます
するとその威力で
小鳥たちはバタバタと倒れ、
樹から落ちて死んでしまいます
やれやれと
修行僧は立ち上がり
托鉢にでかけ
とある家の主婦から
その日の食事を
提供してもらうことになりました
しかし すぐには食事は出てこなく
また気が立ってきます
どういうことだ? この俺様をまたせるとは?
(直訳すればこんな感じだったでしょう)
しばらくしてから
主婦が僧の食事を持ってあらわれ言います。
「御坊様、大変お待たせして申し訳ございませんでした。
主人が帰ってきておりまして、
主人と家族の食事の支度もしておりましたものですから」
そこで修行僧は内心思います
「なに~!この俺様を待たせて主人を優先したと~!」
主婦はその様子を見て言います
「御坊様も尊い方ですが、私は主人に仕えるという
私の主婦という本分をまず努めなければいけませんでした。」
「どうかお願いですから、あなたが小鳥たちになさったように
眼力で私を射殺さないでください」
修行僧は驚いて聞きます。
「目撃もしていないのにどうしてそんなことが見通せたのか?
なにか特別な修行をしているに違いない。それは何なのだ?」
主婦はにっこり笑って
「なにも特別なことはしていません。ただ日々休むことなく
自分のやるべきことをしていればそのくらいわかるものなのですよ」
と言いました。
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この話、私風に題をつけるなら
「俺様の瞑想」ですね
どんなにパワフルにすぐれていても
悟りとは違うものなんですよね
日々、心を込めてやるべきことを
淡々とやっていくことの方が
まっすぐに悟りへ入る
最短コースかも知れません。
自分の心をみつめて
受け入れていくならば。
やっぱり、地道に謙虚に
日々の精進ですね
スワミジのメタファーからでした♪